再上場の想い
先日、ある会社の個別インタビューでの話。
同社は、数年前に業績不振を背景として、あるPE(プライベート・エクイティ)と共にMBO(マネジメント・バイアウト)を行い、その後見事に復活し、再上場を遂げた。
まだ一般的には若い社長の理路整然とした語り口は、豪腕なPEと互角以上に渡り合ってきた貫禄が備わっていた。
その社長に、このような質問を投げかけてみた。
「MBOによる非上場から数年後の再上場。今の心境は?」
ここで聞きたかったのは、要するに以下の2点。
◆ 業績不振時にPEの資金力を頼りにした非上場化を行ったため、当時の既存株主が不利益を蒙った可能性がある。今日の成功があるのは過去の既存株主の犠牲の上、という考え方があるが、この点に関してどう思うか。
◆ 再上場により、成長し続けなければならないという十字架をまた背負うことになる。四半期開示の導入など、当時とは業績に対する株主のプレッシャーは比較にならないが、どのような想いで再上場したのか。
この質問に対し、社長は一言こう語った。
「複雑です。」
その後、以下のように述べていた。
MBOにより非上場化した際の株主に対する想いは一生背負っていなかなればいけないと思っていること、
またいわゆるオールドエコノミーに属する当社が四半期開示のプレッシャーの中で再上場する必要性に関して悩み抜いたこと、
再上場したからには成長させることが過去の株主に対して報いる唯一の方法だと考えていること、など。
その会話の中には、伝統のある企業を率いるトップとしての想いと、資本市場に身を置くことにより背負う成長という十字架に対する覚悟が、凝縮されていた。
同社は、PEが資金援助した時点で再上場が半ば義務付けられていたことは、理解に難しくない。
しかし、資金調達手段が多様化した今日、上場することが果たして必要なのか、知名度向上などの副次的な効果が大きいことは明白であるものの、議論が分かれるところだ。
究極の買収防衛策であるMBOによる非上場化を選択する企業が増えてきた今日、先日のインタビューでの社長の言葉からは深い想いが感じられた。
皆さんはどのようにお考えでしょうか?
ご意見、お待ちしております。
http://www.ma-investment.com/archives/2007/09/post_94.html
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