ファーストリテイリングの成長戦略
ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングが軟調です。
原因は、5日に発表された米高級衣料品専門店バーニーズ・ニューヨーク買収へ名乗りをあげたこと。
同社は、バーニーズを保有する米大手アパレルに対し、全株式を9億ドル(約1,800億円)で取得すると提案したもようです。
市場がネガティブに評価する理由の一つとして、「内-外」のM&Aの実現性と効果を疑問視する声が上げられます。
日本企業による海外企業の買収では、その後のマネジメント不足により失敗する例が多いからです。
では、今回のケースではどうでしょうか。
ファーストリテイリングは、2007年3月期のROE=19.7%、売上高経常利益率=16.3%、営業キャッシュフローも順調に推移しているなど、小売セクターの中では際立つ高業績を収めています。
いわゆるSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)として製造から小売までを一気通関したアパレルの形態により大成功を収めた同社は、自己資本比率=60.1%と財務健全性も高い優良企業です。
そのような中、同社の今後の成長戦略として、高級セグメントを得意とし高所得者層をターゲットとしたブランドを有するバーニーズを買収することにより、これまでのコスト優位性をコアとした差別化集中戦略から、全セグメントをターゲットとするフルライン戦略への移行を意図しているようです。
企業が成長を促進する段階で、差別化集中戦略からフルライン戦略へ移行することは自然な流れといえ、戦略のセオリーからも正しいものと考えられます。
また、ユニクロとターゲット顧客が異なるバーニーズの買収は、全社的なシナジー効果の観点からも効果的な打ち手と思えます。
あとは、、、ファーストリテイリングがこれまでの海外進出で培った、海外でのマネジメント及びガバナンス能力が問われます。
今のところ、市場の評価は伴っていないものの、今回の発表でファーストリテイリングが示したビジョン・成長戦略は、中長期的に評価できるものと考えます。
短期的には軟調な推移が続くものと想定されますが、同社の中長期的な株価推移に注目してゆきます。
(関連エントリー「自動車セクターの比較」⇒http://www.ma-investment.com/archives/2007/06/post_81.html)
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上記の内容は銘柄の推奨を目的としたものではなく、市場動向に関する雑感を綴ったものです。
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http://www.ma-investment.com/archives/2007/07/post_85.html
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