買収防衛策の導入
6月末にかけ、株主総会が本格化します。
今年の株主総会では株主提案数が過去最多となるなど、いわゆる「モノ言う株主」の存在感が一段と増しています。
なかでも焦点となるのが、買収防衛策の導入。
今総会で導入に踏み切る企業は、200社を超える見通しです。
業種別で見ると、高い技術力を有する反面、海外の競合他社に比べ時価総額で水を空けられている電機が最も多く全体の1割を占めるのに続き、投資ファンドの買収攻勢にさらされ業界再編機運の高まる食品、その他には化学や鉄鋼も目立ちます。
では、買収防衛策の相次ぐ導入は、企業価値ひいては日本の資本市場にとってどのような影響があるのでしょうか。
米議決権行使助言会社のISSは、「買収防衛策の8-9割に反対するよう助言する可能性が高い」と述べています。
米国では、1980年代にTOB(敵対的買収)が相次ぎ、経営者が自己の保身のためにポイズン・ピル(毒薬条項)やゴールデン・パラシュート(退任経営陣に多額の退職金を支払う制度)等の歪んだ買収防衛策が相次いで導入され、企業価値に貢献しない経営者の私腹を肥やす道具となりました。
このような買収防衛策に対し、機関投資家からは不満が続出。
なぜなら、TOBの「敵対的」とは現経営陣に対する表現であり、株主にとってはむしろ歓迎すべき場合もあるからです。
すなわち、市場で評価の低い会社が、買収の標的になる過程で非効率な経営が排除される場合には「Change Of Control」によって企業価値が高まる可能性があるからです。
株主は、TOBの良否、すなわちその会社の企業価値を高めることへのコミットメントがあるのか、もしくはグリーンメーラー(乗っ取り屋)や単なるアービトレージャー(鞘取り業者)なのか、を見極める必要があります。
そして、買収防衛策が果たして企業価値の向上に役立つのか。
「モノ言う株主」の出現により、株主総会は従来の「しゃんしゃん総会」から本来のあるべき姿へと変容しています。
今月末の会社株主総会は、様々な観点から注目に値します。
(関連エントリー「スティール・パートナーズ代表、世界初の会見」⇒http://www.ma-investment.com/archives/2007/06/post_79.html)
(関連エントリー「HOYA、TOBでペンタックスを子会社化」⇒http://www.ma-investment.com/archives/2007/05/hoyatob.html)
http://www.ma-investment.com/archives/2007/06/post_83.html
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