スティール・パートナーズ代表、世界初の会見

2007/6/13

昨日12日、スティール・パートナーズの記者会見が開かれました。

会見を行ったのは、スティールのウォレン・リヒテンシュタイン代表。

同氏が記者会見を開くのは、世界で初めてです。

会見の中で同氏は、「グリーンメーラー(乗っ取り屋)ではない」ことを何度も強調し、多くの株主の賛同を呼びかけた他、「割安銘柄の多い日本は今後も有望」とも語り、今後も日本株への投資を継続する意向を示しました。


スティールの方法に対し、日本企業からは反発が強まっています。

その理由の一つが、経営するつもりもないのにTOBを仕掛けるのは、「アナウンスメント効果を狙った単なる株価の吊り上げ」と見られている点にあります。

このような見解に対しスティール側は、「会社を所有することと経営することは全く違うもの」と反論し、株式会社の仕組みの一つである「所有と経営の分離」を主張しました。


そもそも、近代株式会社制度が確立したのは19世紀後半。

この時代に、準則主義・株主主権・株主平等・資本多数決といった株式会社の原則が形成されました。

当初は限られた大株主がイニシアチブを取る個人株主経営、すなわち「所有と経営の一致」が主体でしたが、19世紀末から20世紀に入るころには、事業の大規模化や株主の分散化・多数化によって経営者の力が強くなり、「所有と経営の分離」が促進されました。

現代資本主義の下では、所有者である株主が経営のプロである経営者に委任することにより、大規模化した事業運営を任せ企業価値の向上を図る仕組みとなっています。

このような株式会社の原理に照らすと、スティール側の主張は的を得ているようにも思えます。


しかし、スティールは本当に投資先の企業価値向上を考えているのでしょうか?

彼らは、何らかの理由で生じている市場価格形成の歪みを狙って鞘取りを行う「アービトレージャー(鞘取り業者)」であり、事業再構築や経営改善などにより企業価値の向上を目的としておらず、企業価値を向上させることに貢献しているようには思えません。

同じファンドでも、リスクマネーを投資することにより経営権を取得し、事業再構築や経営改善を行いながら多大な労力とコストをかけて見事に会社を再生させ、企業価値を高めた上でリターンを得ようとするファンドが存在します。

このようなファンドは、アービトレージャーと区別されるべき、と我々は考えています。


スティールの行動は、株主としての権利を主張しているだけであり、当然に容認できるといった意見もあります。

一方で、過去に蓄積してきた富を、企業の歴史から見ると一瞬だけ株主になった者から還元を要求されることに対し、会社側が反発するのも理解できます。


MA投資ブログの読者様はどのような見解をお持ちでしょうか?

我々の見解を参考にしていただければ幸いです。

(関連エントリー「ブルドック株、スティールのTOB発表により+20%上昇」⇒http://www.ma-investment.com/archives/2007/05/20.html


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