ブルドック株、スティールのTOB発表により+20%上昇

2007/5/25

投資ファンドの動きが活発です。

米系投資ファンドのスティール・パートナーズが16日、東証二部上場のブルドックソースに対してTOBを実施すると発表。

買付価格は1株1,584円で、14日終値を20%上回る水準です。

その報道を受け、同社株は一時+30%以上値上がりしました。

現在は、スティールのTOB価格より若干高値で推移しており、PERは62倍まで上昇しています。再編期待による過熱感がこのような価格形成を誘導しているわけです。


ブルドックは、2006年の国内ソース市場のシェアが27.4%で首位。

ニッチ市場のリーディング・カンパニーといえます。

そして、、、典型的なキャッシュリッチ企業。

総資産240億円のうち、半分近くを現預金と有価証券が占めます。

従って、スティールが全株取得に必要な約270億円の資金の半分が、TOBが成功した時点ですぐさまスティールにキャッシュバックされるようなイメージです。

スティールが目をつけたのは、ブルドックの競争優位性というよりも、むしろそのキャッシュリッチな財務体質にあったと考えられます。


ブルドックは、多くの企業が導入する事前警告方の買収防衛策を導入していませんでした。

現在、スティールは既にブルドック株を10%以上保有する筆頭株主で、ブルドックの経営陣はスティールが日本で公開企業を経営したことがないことに懸念を表明しているため、今後ブルドックがTOBへの反対を決めることにより敵対的買収に発展する可能性があります。


では、スティールの真の目的はどこにあるのでしょうか。

① 果たして本当にブルドックを経営してゆく気があるのか?

② または、潤沢なキャッシュを手に入れたいだけなのか?

③ もしくは、TOBを煽ることにより高値で売り抜けたいだけなのか?


・・・過去のスティールの動きから考えて、スティールの目的は③⇒②の順であり、①はちらつかせているだけで目的とするところではないものと推測されます。

同社は、典型的なアービトレージャー(鞘取り業者)。

すなわち、市場価格形成の歪みを狙いを定め、鞘を抜くことを目的とした投資ファンドです。

その動きは、「物言う株主」として鞘取りを目的としたアクティビスト・ファンドの走りであった、村上ファンドを思い起こさせます。


HOYAがペンタックスに対して行うTOBのように、事業会社が行う戦略的M&Aとは異なり、アービトレージャーが行おうとするM&Aは、果たして企業価値を高めることにコミットしているか、については疑問を抱かざるをえません。

ブルドックを巡る今後の推移、興味深いですね。

同時に、スティールと同じ「TOB」という方法を用いるHOYAとペンタックスの経営統合の行方に注目しています。

ブルドックに対するスティールの行動(TOB)を、HOYAとの対比で見てゆくと、M&Aひいては株式市場に対するより興味深い洞察ができる、とMA投資では考えています。

「TOB」や「MBO」など、ここのところよく目にするM&A用語のイメージだけで見るのではなく、その実態を深く洞察することが大切です。


(関連エントリー「HOYA、TOBでペンタックスを子会社化.」⇒http://www.ma-investment.com/archives/2007/05/hoyatob.html


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