決算リスク

2007/4/07

今月後半から、3月決算各社の決算発表が本格化します。

近年は決算早期化の影響で、各社決算短信の発表が年々早くなっています。

また、適時開示の要請により四半期開示が広まったことから、業績の進捗率が把握しやすくなり、業績予想の達成見込みが立てやすくなりました。

その結果、決算発表前に業績予想の下方修正(あるいは上方修正)によって、投資家に対してサプライズを与えるリスクは以前よりも減ったようにも思えます。

実は、ここに落とし穴がある。

その一つが、監査リスクです。

もっと言うならば、会計基準の適用及び判断基準が従来よりも厳しくなったことによる業績予想の修正リスクです。


ここ一年を振り返ってみて、新興市場上場銘柄を中心に監査判断の厳格化による大幅な下方修正が頻繁に起こり、新興市場の業績開示への不振が募りました。

しかし、株式市場全体を見渡してみると、このリスクは新興市場特有のものではなく、東証一部であっても同様であることがわかります。

例えば、つい先日2007年6月期の業績予想の大幅な下方修正を発表したグッドウィル・グループ。

従来予想70億円の黒字から、なんと300億円の巨額な赤字!に転落しました。

この巨額な下方修正の内容を具体的に検証してみると、子会社株式(コムスンなど)の評価損の計上が305億円に上っていることがわかります。

金融商品に係る会計基準では、子会社株式の評価減は、事業計画に基づいて将来の業績回復が見込めると“判断される”場合には強制されない、という規定があります。

すわなち、そこには「判断」の余地が多分に入り込むわけです。


加えて、今回のグッドウィル・グループの特殊事情として、監査法人の交代が挙げられます。

創業者でもある折口会長兼CEOは、「監査法人の判断が突如厳格化した」と述べています。

同社は、以前から監査を請け負っていたみすず監査法人から、2007年2月の株主総会により新日本監査法人に変更。

監査に対する風当たりが厳しさを増す中、監査法人の変更を機に従来は認められていた判断基準がより厳格になり、評価減の回避が認められなくなったことは想像に難しくありません。


このように、監査リスクは新興市場特有の現象ではないことが分かります。

監査リスクは、東証一部上場企業にとっても決して対岸の火事ではなく、特に監査法人を変更する会社については同様のリスクを十分に認識しておくことが必要です。


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