リターンの多様性

2007/2/06

少し前になりますが、1月26日の日経新聞の一面に、こんな記事が載っていました。

【第3部こんなに変わった(1)もうけより大切なこと(株主とは)】
2007/01/26, 日本経済新聞 (記事は本文以下に日経テレコンより転載)

・・・株式投資は、リターンを得ることが目的です。
多くの方にとって、リターンとはすなわち金銭的リターンを意味するかと思います。

一方で、リターンの概念は人それぞれ、という側面も見逃せません。

「わが子の障害が治る可能性があるなら」という願いから投資をした母親。その結果、投資先企業の株価は大きく上昇しました。

また、社会貢献の観点から長期投資を行った教会。その企業は結果として上場を視野に入れるようになり、大きなキャピタルゲインを得る機会が訪れました。

MA投資情報サービスでは、会員様へ定量的な(金銭的な)リターンをお届けできる情報の提供を絶対目標としております。

但し、ファンダメンタル分析に基づく長期投資の視点は、リターンの多様性を無視したアプローチではありません。

あくまで、どのような付加価値を生み出しているのか、それを生み出す源泉である「人」や「ビジョン」に着目している点は、共通するものと理解しています。

このようなアプローチにより選定した12月号銘柄は、発表から2ヶ月弱で既に+35%以上の水準まで上昇しております。

様々な視点から学ぶ謙虚さを失わず、これからも会員様へよりよい投資情報をご提供できるよう、MA投資戦略チーム一同頑張ってまいります。

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第3部こんなに変わった(1)もうけより大切なこと(株主とは)

2007/01/26, 日本経済新聞 朝刊, 1ページ, 有, 1548文字



 日経平均株価は二十五日に一時、六年半ぶりの高値をつけた。台頭する意外な株主、驚きの投資手法、ぶつかり合う経営者と株主――。変わりゆく「投資の時代」を追った。


再生医療に望み
 「我が子の障害が治る可能性があるなら」。千葉県市原市に住む藤井みゆき(55)は、こんな思いで株式投資を始めた。
運動好きの息子がプールに飛び込んだはずみで頸椎(けいつい)を損傷、神経に傷がつき半身不随になった。神経の再生について調べるうち、東証マザーズに上場する大学発ベンチャーのアンジェスMGが再生医療を研究していると知った。「株は何となく怖い」とも思ったが、医療技術の進歩にいちるの望みを託した。
購入後にアンジェス株は大きく上昇。証券会社から売却を勧められたが、藤井は断った。十年は持ち続けるつもりだ。話を聞いたアンジェス社長の山田英(56)は「勇気づけられる」と感じ入った。
 サッカーJリーグ2部(J2)のコンサドーレ札幌には熱い株主がいる。「サポーターズ持ち株会」の八千五十九人。二〇%超を保有する筆頭株主だ。
チームの経営は厳しい。昨年末で約二億円の債務超過とみられ、配当も上場も夢物語。サポーターが筆頭株主というのも、地元企業が出資を渋っている現実の裏返しにほかならない。
それでも持ち株会理事長の佐藤良雄(53)は「楽しい試合を見せてくれるのが何よりの配当」と屈託がない。昨年暮れ、コンサドーレは天皇杯サッカーでJ1の強豪を次々と撃破して準決勝に進出。佐藤らサポーター株主を熱狂させた。


 人はなぜ株主になるのだろう。教科書的にいうと答えは三つある。値上がり益や配当を受けとる(利潤)、経営権を握る(支配)、会社財産の持ち分を確保する(物的担保)――。実際、高配当株の人気やM&A(合併・買収)の思惑が株式市場を盛り上げ、投資の間口を広げてきた。
 そのうねりは教科書にない投資家も目覚めさせた。もうけより大切な何かを求め、持ち株にさまざまな思いを込める株主たち。投資信託の世界にも似たような動きが起きている。


社会貢献に賛同
 環境にやさしい会社、社会貢献に熱心な会社に投資するSRI(社会的責任投資)と呼ぶ投信の国内残高は約三千億円。一年で八割増えた。目立つのは若年層など小口の投資家。「SRIの趣旨に賛同しておカネを投じる人が多い」(大手証券)という。損得ずくだけでない投資観が芽吹こうとしている。


 一昨年、ライブドアによるニッポン放送株の買収騒動に揺れたラジオ業界。非上場の文化放送(東京・港)はカトリックの聖パウロ修道会が筆頭株主だ。
出資は五十年ほど前。布教番組を放送していたこともある。今も大株主でいるのは「先人の思いを受け継ぎ、会社の繁栄に協力したいから」と神父の夫津木昇(63)。経営には口をはさまない。文化放送にとって「経営の原点に立ち返らせてくれる存在」(取締役の釣巻耕秀、62)だ。
利益追求を無視して株式市場も資本主義も成り立たない。半面、ライブドア事件は利益至上主義の危うさをみせつけた。難しいバランスをどうとるか。多様化する株主は「もうけること」の意味を問いかける。
 せつな的なもうけにこだわらなければ、投資期間はおのずと長くなる。その効用は見逃せない。
実は文化放送は上場を視野に入れている。聖パウロ修道会は「対応は決めていない」(夫津木)というが、株主としての半世紀は期せずして多額の上場益をもたらす可能性がある。(敬称略)


ひとこと
「SRIは運用成績もいい」
 (SRIを広めた米投資家エイミー・ドミニ)

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