経営者のハッタリを見抜け!

2004/11/19

2004/10/08 21:34:09

そろそろ企業の中間業績発表の季節がやってきました。好業績の銘柄をホールドしている株主には爆上の美酒が用意されているのかもしれません。

今は徹夜で9月末決算の数字を各社は纏めているはずだが、当然のことながら、好業績の企業は利益を隠し(なるげく後に計上できるように調整)、不調な企業はなるべく売上が伸びているように見せるため、受注を勝手に売上計上したりしている。

その企業が昨年まで選択していた会計基準を変更したら要注意。ヘタするとデリバティブで大損していたり、子会社の決算月を変更して不良債権を飛ばしている企業もあるかもしれない。個人投資家からすれば「上場しているのだから決算内容くらい正しいのだろう」と思われるかもしれないが、ここは中国か?と思うほど適当な決算をしている企業が新興企業には存在する。


よって投資をする際には対象企業の財務分析を行う必要がる。売上が増加してないのに在庫が爆増していたり、同業他社に比べて売上債権回収期間が長いなど、不振な点を確認しておく必要があります。

しかし、この程度では終わらない。次なるハッタリが待っている。

M&A投資「上期の業績はどうですか?足元の売上動向はいかがですか?」


経営者 「え~、え~、おかげさまで、絶好調です。大企業の○○社の案件も決まりそうですし、△△社の案件も決まりそうで後は契約を締結するだけなんですよ。忙しくて忙しくてたまりませんね。はははは」


嘘をつけ!○○社も△△社もおたくの営業マンとミィーティングをしただけに過ぎない。M&A投資の同窓の友人達が正にこの会社の提供するサービスの○○社や△△社側の責任者・担当者であることを知らないのだろう。

こちらが黙っていると社長は続ける。

経営者「ここに仮決算書があるのですが、前期に比べてこんなにも売上が成長しているのですよ」

とまで豪語しだした。だから、それは、ある同業他社が受注した案件を、貴方がその同業他社にお願いして伝票だけ通して貰って売上たものであって、顧客からあなたの付加価値に対して払われた対価ではないでしょう。。

M&A投資「そうですか、その割には売上高利益率が低下しているのは、ちょっと気になったものですから・・」

と、こちらがハッタリを見抜いていることを相手に気付かせず、相手の面子を守りながら、あたかも財務諸表上の一項目だけ気になったかのように切り出してみる。

経営者「いやー、それはねー。ただ下期の見通しも良好で、東証2部の審査も進んでいて、**月には東証上場できそうなんですよ。***証券さんの後押しもありますし」

このあたりでもう限界になる。もともとIPOした時には某ハッタリ証券のハッタリ・バリュエーションでハッタリ公募価格で資金調達をしたわけで、既存のベンチャー・キャピタルはIPO初日に既に全株処分している。

つまり長いつきあいのあるベンチャーキャピタルは、この会社が今より成長するとは全く想定しておらず、一刻も早く売り抜く為にIPO祭りの間に全量を売抜いている。今はその株に群がるのは「損切りできない初心者個人投資家」「デイとレーダ」だけの状況だ。ヤホー掲示板を見ると「ストロングホールド!!」なんて書いてあり目が当てられません。この株を長期保有するとは全く笑えないジョークです。


新興市場が一旦調整した後、また回復したとしても、この会社の株価は回復しないでしょう。なぜなら、このやり取りを業界仲間にM&A投資は一瞬でメールするからですけども。

そして後日、ここは同社の決算発表前のスモールミーティング。先方の会議室に各関係者の担当者が集まる。中にはアナリストもいる。この国内証券会社のアナリストは的はずれの質問をすることで有名だ。

アナリスト「御社の事業領域である**において、競合の++が:::という製品を発表しましたが、その影響は?」

等としたり顔で聞いている。はっきり言いましょう。この会社の製品と競合企業の:::という製品は、全く顧客セグメンテーションが異なる。よって、その質問は意味をなさない。逆に市場の裾野を拡大するという側面の方が強い。ちなみにこの方は某証券雑誌にコラムを覆面で書いている。

経営者が怪訝な顔をしている。こいつは何を馬鹿なことを聞いているんだ、という空気が室内に流れる。但し、そこでどのように答えるかが、経営者の器を決める。常に相手を思いやる気持ち。これが無いと利害関係者を自分の味方にすることはできないし、それができない以上、企業の成長はありえない。

M&A投資はその経営者の表情を凝視した。

なんと驚いた事に、その経営者はニヤリと相手を小ばかにした顔を出した!


終わった・・・。このアナリストがたとえ的はずれな人であったとしても、営業力は国内1,2を争うプライド激高証券の人間だ。

その人間を敵に回して、もう株価上昇はありえない。


このアナリストは社内に戻り、「この屈辱忘れずや」と、普通なら年間成長率*%くらいで成長すると合理的には思えるこの企業の成長率を4%くらいに低く見積もって、低めのバリュエーションを出し、スプレッドシートを検算もせずに、怒りに任せてその翌日には「SELL( KILL)」というアナリストレポートを出すだろう(まぁ、その人の上司が多少はチェックをするでしょうけども・・中立とか、カバー対象外、とかでお茶を濁して)


さて、現在その株は、絶賛、出来高急増中で、押目買いが入っている。
「あの人気会社がこんなに今、割安だから!」なんて思われて。

こんな会社の株は買ってはいけません。
(一応、「この話はフィクションです」)

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[3.投資業界に咲く華] 投稿者 MA投資 : 23:20

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